家族から引き継いだ着物が家にたくさんあるから処分したい!きっと高かったであろう着物を売ろうかなと思ったとき、こんな不安はありませんか?
「古い着物でも売れるのかな?」「査定でぼったくられないか心配…」「そもそもどこに頼めばいいの?」
私は過去に大手リサイクル着物屋で働いていて、未だに着物の買取について相談を受けることがあります。着物の知識がない人でも安心して着物を手放せるよう、買取の基礎知識と高く売るコツをわかりやすくご紹介します。
※この記事にはプロモーションを含みます。
なぜ今「着物の買取」が注目されているの?

不謹慎なお話をしますが、着物を買取に出すきっかけや理由は、ネガティブな理由であることが多いです。親族が亡くなって着物が大量にあるが、処分に困っていることが一番多い理由です。高年齢化により、着物を買取に出される次の世代の方がとても多いのです。

そういった背景もあり、リユース着物の人気が高まっており、専門業者による着物買取の需要も増えています。以前に比べて中古品の買取業者の広告をたくさん見るようになりましたね。送料無料で段ボールで送れば査定をしてくれて、価格に不満があれば返却してくれる会社もあり、手軽に買取に出せる時代になりました。
着物の買取価格はどう決まるの?

さて、早速本題です。着物の査定額は、以下のようなポイントで決まります。
| 査定のポイント | 内容 |
|---|---|
| 種類 | 振袖、訪問着、留袖、小紋、浴衣など |
| 状態 | シミ・汚れ・虫食いがないか |
| 素材 | 正絹が高評価、ウールや木綿ポリエステルは価格がつかないことがほとんど。 |
| 落款・証紙 | 作家物や産地証明があると価値証明に |
| 需要 | 季節・流行・行事(成人式、卒業式など) |
| サイズ | 身丈160cm以上なら査定額アップの可能性も |
ちなみに私が勤めていた会社では、15年ほど前で買取価格は販売予定額の1/10〜それ以下でした。買取をした後に洗って、匂いをとってという工程が入ると、そのくらいになるそうです。当時よりリサイクルの着物はちょっと高めになりましたが、査定額はあまり変わらなそうです。
以下で査定のポイントを詳しく解説します。
ポイント①種類

着物には種類があります。留袖、訪問着、色無地、小紋、浴衣などです。中でも訪問着は、七五三や卒入式などイベントごとで着物を着る人が一定数いるので、現代でもそれなりに需要があります。
留袖や喪服はレンタルが主流になっているので需要は低く、物によっては価格がつかないこともあります。レンタルが主流な振袖は、もう少し着る機会が多いので少し期待はできるかなと思います(あくまでも留袖や喪服と比べて、です)。

価格が安定して期待できるのは大島紬、結城紬、牛首紬という日本三大産地の絹の着物などの高級な紬類。また、麻糸を細かく裂き紡いで作られた上布もそれなりに価格がつく印象です。これらの着物はカジュアル着物ですが、色柄が時代に左右されにくく、最近は作れる人も減っており希少価値が高めです。
とはいえ、相当の作家ものやブランドものでない限り高額は期待しにくいと思った方が良いです。

また、長襦袢やウール、ポリエステルなどの絹以外の着物、履物やバッグ、帯締め・帯揚といった小物類はほぼ価格がつきません。
| 査定金額がつきやすい種類 | 訪問着。大島紬、結城紬、牛首紬などの高級紬類。上布など。振袖は△。 |
| 査定金額が期待できない種類 | 留袖、喪服、ウール、木綿、ポリエステル、長襦袢、その他の小物類。 |
ポイント②状態

汚れやしみ、防虫剤などの強い匂いなどがついていたら、なかなか金額はつかないと思ってください。袖や裾に”しつけ糸”がついていても、汚れがあれば売り物としての価値が下がります。
着物は、タンスにしまったままにしていると汗染みが浮き出てきて茶色に変色してしまうことがしばしば。金糸が錆びて着物にサビが移ってしまうこともあります。防虫剤の匂いは、洗ってもなかなか取れません。
アンティーク着物は人気ですが、糸は人と同じように歳をとるのでプチっと切れることもしばしば。生地も薄い物だと破れてしまうこともあります。
着物を売る前に確認しておきましょう!
ポイント③素材
絹や麻(特に上布)は価格がつきますが、それ以外のウールや木綿、ポリエステルの素材の着物は価格がつかないことがほとんどです。
ポイント④落款・証紙
落款(らっかん)とは、衿の先の内側(裏側)についている、作家のサインのような物です。有名作家であれば価値を証明することができます。最近はgoogleの画像検索もあるので、写真で撮影してネットで調べることもできるかもしれません。
証紙は反物の端についており、伝統工芸品などの有名産地であれば品質を証明することができます。着物のハギレと一緒に保管している人も多いので、タンスの中を探してみましょう。
ただし、落款や証紙があれば必ず高額が期待できるわけではありませんので要注意です。
ポイント⑤需要
すでポイント①でも触れていますが、最近はレンタル着物が増えているのでいくらリサイクルで安くても、購入しない人も多いです。
アンティーク着物では、コレクターもいるので高値で買う人もいるかもしれませんが、その人の好みによる物なので、評価は分かれやすいです。
ポイント⑥サイズ
これは買取行者にもよりますが、身丈が長いサイズが大きめな着物は査定額がアップすることもあります。昔は小さな人が多かったので、着物のサイズが155cm以下の小さなサイズが多いためです。身丈160cm以上なら需要は高めです!
高く売るためにできること3つ

少しの工夫で査定額が変わることもあります。事前にやっておきたいことはこちら。
状態のチェック
上記の査定のポイントを参考にお持ちの着物をチェックしましょう。カビや汚れ、匂いの有無などを確認します。少しの臭いなら陰干しすることで和らぐこともあります。できるだけ綺麗な状態で査定に出しましょう。
査定はセットで出す
数点だけ買取よりも、大量に買取に出してもらった方が業者は嬉しいものです。襦袢や小物は価格がほぼつきませんが、まとめて出してくれるなら少し価格をおまけしてくれるかもしれません。
複数業者に見積もり依頼
1社だけでは相場がわかりませんので、無料査定でいくつか出してみるのが良いと思います。結局買い取られた着物は、その後どこかで販売されるので、販売先がたくさんあれば査定価格も柔軟です。
買取方法は3種類
①出張買取

直接家まで来てくれて、その場で現金化可能です。大量の着物がある人は出張買取がおすすめです(1枚から対応してくれる業者もあります)。
どの着物がいくらなのか、その根拠はなんなのか、丁寧に教えてくれるので、一番安心感があります。思っていたよりも価格がつかなかったら交渉もできますし、選りすぐってもOK。査定後にキャンセルが可能なところも多いです(事前に条件を確認しましょう)。
②宅配買取

ダンボール1〜2箱程度ならダンボール買取がおすすめです。送料は業者負担のところが多いので、自分のタイミングで気軽に買取に出せるところがメリットです(不成立の場合は着払いで本人負担になることもあります)。
ただし、鑑定士と一緒に着物をみることができないので交渉はしづらいと思います。なので、個人的には明らかに価格が期待できないかな?という着物をまとめて処分するくらいの着物を出すのにいいかなと思います。
③店頭買取

店頭に持って行って買取をしてもらう方法です。ただ、その場で鑑定してくれるお店もあれば、店頭から鑑定場所に送って後日査定金額を通知されるパターンもありますので事前に調べましょう。
近くにお店があるなら、試しに出してみてるには一番気軽な方法です。もちろん査定金額に納得いかなければキャンセルも可能です。
着物買取行者はどこがいい?おすすめの買取査定業者
価格がいくらになるのか?それは査定に出してみないとわかりません。出張買取や宅配買取は無料の会社が多いので(事前にご確認ください)、まずは相談するのをお勧めします。
①福ちゃん|CMでもお馴染み!大手だからこその価格提示可能
CMでもお馴染みの「福ちゃん」は着物をはじめ、ブランド品など様々な品物を査定、買取してくれます。出張買取、宅配買取、店頭買取全て対応しているので、自分に合った査定方法が選べるのが嬉しい!
出張買取もネット申し込みから希望日を入力すればOKなので予約も楽ですね。女性限定のレディースプランなら女性担当者が買取に来てくれます。
出張買取で不成立でもキャンセル料は発生しません。福ちゃんを推すポイントは、大手だからこそ競争力のある買取価格を提示できること。買取には業者にも資金力が重要なので、高く買い取って欲しい人ほど大手の企業に依頼するのが良いと思います。
②リファスタ|配送買取補償プランあり!全国OK
宅配買取の実績は14年以上。配送買取の際には最大5,000万円の補償プランがあるので、大事な着物を送るのも安心です。宅配キットも無料で自宅に発送してくれるので手間要らず。宅配買取の専門業者です。
③バイセル|上場企業だからこその安心感!
ドキドキの着物買取、一番大事なのは安心感ではないでしょうか?バイセルは2019年に上場し、出張買取を中心としたリユース事業を展開しています。「早く、高く、出張買取」をモットーに自宅まで無料で出張・査定・買取が可能です。
出張買取、宅配買取、店頭買取と買取の手段も選べます。店頭買取の店舗数が多いのも魅力。お買い物をした先で、試しに査定に出すこともできます。電話でも丁寧に対応してくれるので、気になった人は電話で相談してみましょう!
いかがでしたでしょうか?元リサイクル着物店勤務だったこともあり、リアルなお話をさせていただきました。
最後に、改めて正直な話をします。
着物の買取について相談されてくる方の中には、「母が着物好きで、⚫︎⚫︎⚫︎万円以上つぎ込んだと聞きました」という方がたくさんいます。
ただ、購入した当時と、今の需要は想像以上の差があります。不動産のように価値が上がることは滅多にありません。着物の”価値”は購入当時の価格よりも”思い出”です。なので手放すことができないのだと思います。私の母も今は全く着物を着ないのに、処分しようとはしません。1枚1枚に思い出があるから、アルバムのように保管しているのです。
なので、大事にしたい着物、手元に置いておきいたい着物はないか、買取に出す前に一度もう一度向き合ってみてください。その上で保管するコストを考えて、「他に着てくれる人がいるならその方が着物のため」と考えて気持ちと折り合いをつけることが大事です。誰かから譲り受けた着物なら、受け継いでくれた人のためにも誰かに渡す方が、着物は生きるはずです。
この記事が役に立っていたら嬉しいです。








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