【決定版】着物の花・植物柄で季節をまとう|1月〜12月の代表柄と意味を解説

着物の世界には、季節の移ろいを装いで表現する美しさがあります。なかでも「花柄」「植物柄」は、月ごとに異なる表情を見せ、意味や縁起もそれぞれ異なるのが魅力。

この記事では、1月から12月までの代表的な花柄と植物柄とその意味、着用シーンをご紹介します。
着物初心者の方から、TPOに合った柄を選びたい方まで、知っておいて損はない内容です。

  1. 1月|松・梅・南天(まつ・うめ・なんてん)
  2. 2月|梅・椿(つばき)
  3. 3月|木蓮・菜の花・桜
  4. 4月|桜・藤(ふじ)・牡丹
  5. 5月|芍薬・藤・菖蒲(しょうぶ)
  6. 6月|鉄線・紫陽花・百合(ゆり)
  7. 7月|朝顔・桔梗(ききょう)・鬼灯(ほおずき)
  8. 8月|撫子・芙蓉(ふよう)
  9. 9月|萩(はぎ)・菊(きく)・女郎花(おみなえし)
  10. 10月|紅葉(もみじ)・菊(きく)・葡萄
  11. 11月|紅葉・山茶花・雪輪
  12. 12月|南天・水仙・千両
  13. 季節の花・植物柄を着こなす3つのポイント
    1. 1. 季節の“少し先”をまとうのが粋。でも季節は気にし過ぎないで!
    2. 2. 柄の意味を知ると装いが深くなる
    3. 3. シーンに応じて格や色合いを調整
  14. まとめ|とっておきの“月の植物柄”を見つけてみては?

1月|松・梅・南天(まつ・うめ・なんてん)

alt="1月の着物におすすめのお花の柄"
  • :一年中青々と茂ることから「不老長寿」「永遠の命」を象徴。
  • :寒さの中で咲く強さから「希望」「忍耐」の意味。
  • 南天:「難を転ずる」縁起物として、お正月に人気。

1月の着物着用シーン:初詣、初釜、新年のご挨拶など。

着用時メモ:1〜2月までの花柄であればあまり気にしないでOKです。季節は先取りなので、花の開花時期が終わりそうなタイミングがきたら着用も終わりくらいに考えましょう。


2月|梅・椿(つばき)

alt="2月を代表する着物のお花"
  • :引き続き2月も人気。特に白梅は清らかさの象徴。
  • 椿:艶やかで上品。冬から春への橋渡しをする花。

2月の着物着用シーン:梅まつり、春の茶会、婚礼行事、バレンタイン

着用時メモ:椿は散る時に、花が首から落ちるように散るので、おめでたい席では避けてほしいという声もあります。最近は気にしないで着用する人も多いですが、気になる方は避ける方がベストです。


3月|木蓮・菜の花・桜

alt="3月を代表する着物の柄のお花"
  • 木蓮:桜の花が咲く前に大胆に気高く咲くお花。白や紅色。
  • 菜の花:春の兆しと生命力を感じさせる花。
  • :卒業や門出の象徴。可憐で儚い印象。

おすすめシーン:ひな祭り、卒業式、花見のお出かけ

着用時メモ:桜は日本の代表するお花として1年中親しまれているお花なので、1年中OKという人もいます。菜の花や木蓮は咲く時期が短いですが、春にこのお花の柄を着ていると粋だね〜っと思っちゃいますね。春は他にも、桃、チューリップ、たんぽぽなどたくさんあるので好きなお花を着て出かけましょう!


4月|桜・藤(ふじ)・牡丹

  • :まだまだ活躍。入学式や新生活にぴったり。
  • :優美で品のある花。女性らしさの象徴。

おすすめシーン:入学式、お花見、春のパーティー

着用時メモ:藤と牡丹は最近開花の時期が早くなりましたが、とても人気の柄ですね。牡丹は華やかなので、浴衣の柄でもたくさん見るようになりました。芍薬と牡丹何がちうの?という疑問ですが、牡丹は「木」、芍薬は「草」です。大きくは”葉っぱの形の違い”なのですが、お花だけ描かれている場合にはぱっと見でどちらか判断するのは難しいかも?


5月|芍薬・藤・菖蒲(しょうぶ)

  • 芍薬:女性的な慎ましさ。葉っぱがツルッとしています。
  • 藤:優美で品のある花。女性らしさの象徴。
  • 菖蒲:「勝負に勝つ」や「魔除け」の意味を持つ。

おすすめシーン:端午の節句、子どもの日、初夏の茶会

着用時メモ:藤はとにかく咲いている時期が短く、最近では開花時期が早まっているので、ゴールデンウィークくらいまでが粋に着られる時期かなと思います。でもキレイなので、気にしすぎないでくださいね。芍薬は牡丹よりも少し後に咲くお花です。着物の柄になると牡丹と芍薬の差はあまりないので、こちらも気にしすぎないように楽しみましょう。菖蒲、菖蒲、杜若も違いがよくわからないですよね。

ちょっと話が脱線するのですが、着物が好きな人同士で、牡丹っぽい芍薬っぽい着物柄にであると、どっちだ?談義が始まるのはあるある。着物屋にいた時にベテランのスタッフに「わからないなら、言い張ればいいのよ!」と言ってもらったことを胸に、私もその季節に合わせて「牡丹です」「芍薬かな?」なんて言って季節を柄で演出しましたという顔をしていました。それでいいと思っています。


6月|鉄線・紫陽花・百合(ゆり)

  • 鉄線:果てしなく延びる蔓の姿は「延命長寿」「子孫繁栄」
  • 紫陽花:移ろう心、梅雨の時期にぴったりの花。
  • 百合:純粋さ、無垢。初夏の代表的なお花の一つ。

おすすめシーン:梅雨時期の外出、観劇、風情ある場面に

着用時メモ:本来は6月は単衣(ひとえ)という冬の時期と同じ生地だけど裏地のない着物を着ます。しかし昨今は暑いので、この時期になると夏の着物の出番ですね。夏の着物は時期が短いので、基本そこまで柄を意識しすぎないでいいかなと思っています。あくまでも季節の花の目安として参考にしてくださいね。


7月|朝顔・桔梗(ききょう)・鬼灯(ほおずき)

  • 朝顔:短命ながら鮮やかに咲く儚さの象徴。
  • 桔梗:誠実・永遠の愛を表す花。秋にもおすすめ。
  • 鬼灯:先祖の霊を導く灯火として無病息災、魔除けなどの意味。

おすすめシーン:七夕、納涼会、浴衣にもおすすめ

着用時メモ:夏の植物はどれも短命なものが多いので、季節を気にし過ぎないでくださいね。夏はお花以外にもお祭りや海のイメージからくるような扇子、提灯、千鳥、金魚などの夏を彷彿させる柄がたくさんあります。


8月|撫子・芙蓉(ふよう)

  • 撫子:大和撫子の語源でもある、可憐な日本女性の象徴。ハイビスカスです。
  • 芙蓉:蓮に似た清らかな花。夏の終わりを告げる。
  • ススキ:豊作、長寿、移ろいゆく季節の趣。

おすすめシーン:花火大会、夏祭り、夕涼みの装いに

着用時メモ:夏着物なら基本そこまで柄は気にせず。でも8月はちょっとずつ秋を感じさせる柄だと粋ですね。トンボなど秋の虫などもいいですね。あ〜夏が終わる、そんな時に着物で秋を先取りして夕暮れどきのひんやりした風を送る・・・私はそんな気分で着物選びを楽しんでいます。なので、9月に紹介する植物もよく夏着物に描かれています。


9月|萩(はぎ)・菊(きく)・女郎花(おみなえし)

  • 菊:日本の国花。高貴・長寿の象徴。
  • :秋の七草のひとつ。風になびく姿が印象的。
  • 女郎花:秋の七草のひとつ。女性的な美しさや儚さ。

おすすめシーン:重陽の節句、秋の茶会、夜のお出かけ

着用時メモ:今回はどちらも秋の七草から代表的なものを選んでみました。秋の七草は夏の着物でもよく描かれています。菊は日本を代表する秋の花で、秋の間はいつでも素敵ですね。また、菊は様々なデザインで描かれていることが多く、写実的なものでなければ一年中着ることも多いです。

秋の七草を集めてみました。桔梗は夏の花としても紹介しましたが、秋の七草です。夏ごろから咲き始めるお花です。


10月|紅葉(もみじ)・菊(きく)・葡萄

  • :日本の国花。高貴・長寿の象徴。
  • 紅葉:季節によって色を変えて人を楽しませる。変化への対応。
  • 葡萄:たわわに実った果実は豊穣の象徴。子孫繁栄の意味。

おすすめシーン:秋の正式な行事、婚礼、祝賀の席。ハロウィンなども。

着用時メモ:10月以降は着物でのお出かけの最盛期。この辺りの秋の植物は11月くらいまで気にせず着用OK。そして秋になると、秋の食べ物の柄がたくさん出てきますね。栗や柿、きのこ。最近だとハロウィンでかぼちゃの柄も可愛いですね。ちなみに紅葉と春のお花の牡丹が一緒に描かれているものは「春秋柄」といって、一年中着るにふさわしい万能柄です。


11月|紅葉・山茶花・雪輪

  • 紅葉:秋の深まり、成熟した美しさ。
  • 山茶花:椿に似ていますが、椿より少し早く咲き、秋の深まり、冬の到来を感じさせます。
  • 雪輪:植物ではないですが、自然のものということで入れてみました。冬の訪れを感じます。

おすすめシーン:紅葉狩り、七五三、秋の撮影

着用時メモ:11月になると寒くなってきて、羽織も登場する季節。9月10月で紹介した植物もこの季節に着ることが多いかなと思ったので、あえて変わり種として雪輪を入れてみました。雪を日本人らしくアレンジした感じがたまらなく素敵です。

山茶花は椿とよく似ていて、着物になると違いがわかりません。ですが、椿より山茶花の方が先に咲き始めます。山茶花は椿と違って、花びらで散っていくので、散り際を見ると見分けがつきます。


12月|南天・水仙・千両

  • 南天:「難を転ずる」ラストを締める縁起の花。
  • 水仙:清らかな香りと白さ。寒さの中の美。
  • 千両:赤い実が華やか。富や豊かさを象徴。

おすすめシーン:年末年始、挨拶まわり、お正月準備

着用時メモ:2月にも登場した南天。1月には書いていませんが、もちろん冬の植物として着用するにふさわしい柄です。12月といえばクリスマスですね。ポインセチアは日本のお花ではないのでなかなか着物柄では出会えませんが、赤のお花はクリスマスにも、お正月の華やかな感じにもマッチするので年末年始に活躍しますね。


季節の花・植物柄を着こなす3つのポイント

1. 季節の“少し先”をまとうのが粋。でも季節は気にし過ぎないで!

3月に桜、8月に秋の植物など、「一歩先の季節」を意識するのが上級者。季節を感じられることが着物の醍醐味でもあります。ですが、着用メモに書いたのですが、あまり季節を意識し過ぎないことも大事です。

特に昨今は温暖化もあって季節がとっても読みにくくなり、夏着物の出番がとても増えました。4月には単衣を着て、5月下旬に夏着物を着出す人もいます。秋も11月上旬くらいまで単衣で過ごす人もいます。

とても格式の高い場所でなければ、季節はざっくりと考えて楽しむ気持ちを優先しましょう。

2. 柄の意味を知ると装いが深くなる

花が持つ意味を知ることで、着物を選ぶ楽しさが広がります。特に結婚式に呼ばれた時や卒入学式など誰かのために自分が着物を纏う場面では、相手のことを想って着物を選ぶのは楽しいです。ただのお出かけでも、今日は秋を着物で表現しよう!などと色々考えるのはいつも楽しいです。

春のお呼ばれなら淡く控え目に、秋ならちょっと渋めの色を入れて、お正月やパーティーはちょっと華やかにすれば、その場にいる人たちに喜んでもらえるコーディネートになりますよ。

3. シーンに応じて格や色合いを調整

誰かに呼ばれた席、格式の高い場面では柄は選んだ方が無難です。ぜひ上記を参考にして季節を選んでみてください。

これから着物を購入する人とは、春秋柄や春夏秋冬の植物が描かれた着物や帯を選べば合わせやすいと思います。


まとめ|とっておきの“月の植物柄”を見つけてみては?

1月から12月、それぞれに咲く花があり、それぞれに意味があります。
着物を選ぶとき、「今日はどんな気持ちで、どんな季節をまといたいか?」と考えてみると、より自分らしい一枚に出会えるはずです。

これから着物を始める人は、まずは難しく考えずに。でも少し慣れてきたら「これは絶対4月に着るんだ!」とテンションの上がるとっておきの一枚を持っておくのもおすすめ。その方が着物でお出かけしたい口実が毎年やってくるからです。

皆さんにとって、とっておきの一枚に出会えますように!

shimakoです

最近40歳になりました。仕事も大好き、プライベートも大切に。呉服屋、広告代理店、着物イベント業等を経て現在フリーランスと会社経営の二足のわらじで活動中。Youtube動画編集・企画、人材募集・採用関係のライターを個人で、会社では業務効率化の提案やバックオフィスの代行業などをしています。趣味は、着物、キャンプ、サウナ、お弁当作り、お散歩朝活など。最近はランニングと合気道を始めました。ズボラで飽き性な性格ですが、ちょっとだけ丁寧な生活を取り入れています。