フォーマル?カジュアル?シーンで選ぶ着物の種類まとめ【保存版】

着物って何を選べばいいの?結婚式に着たい、七五三の写真撮影で着たい、お出かけするのに来てみたい・・・きっと着物を着る時は何かイベントごとがつきものだと思います。着物選びは「シーン」と「季節」の掛け合わせが基本です。着物初心者さんでも今日から使えるざっくりガイドをお届けします!

  1. シーンで選ぶ!着物の種類と格の基本
  2. 打掛(うちかけ)
  3. 黒留袖(くろとめそで)
  4. 黒紋付(くろもんつき)
  5. 振袖(ふりそで)
  6. 色留袖(いろとめそで)
  7. 訪問着(ほうもんぎ)
  8. 付け下げ(つけさげ)
  9. 色無地(いろむじ)
  10. 小紋(こもん)
  11. 紬(つむぎ)

シーンで選ぶ!着物の種類と格の基本

礼装(第一礼装・準礼装)と普段着(カジュアル)の違い

まず着物は大きく3つの格で分けられることを覚えましょう!

超フォーマル(第一礼装)
ちょっと改まった席(準礼装)
カジュアル(普段着)

第一礼装とは?
・・・着物の中でも最も格式が高い着物です。結婚式で花嫁が着る打掛、新郎や父親が着る紋付袴、母親が着る既婚女性の第一礼装は黒留袖。未婚女性の第一礼装は振袖です。未婚女性が友人の結婚式に呼ばれた際には振袖でOKです。

準礼装とは?
・・・第一礼装の次に格の高い着物です。自分が主賓ではない時に着るものだと思ってください。洋服で考えると、ドレスやスーツです。色無地は帯よって姿を変えて、色々な席に出ることができます。

普段着とは?
・・・文字通りの普段着ですが、小紋はワンピースといったところで柄によっては他所行きになります。

では、それぞれの着物の特徴や着用シーンを紹介します。

打掛(うちかけ)

打掛は、主に花嫁が着る「最も格式の高い女性の第一礼装」です。
着物の上に羽織るスタイルのため、帯は見えず、衣装としての華やかさを引き立てる役割があります。現代ではほぼ「婚礼衣装」として使われています。

白無垢や色打掛の種類があります。白無垢は頭からつま先まで白一色で「清浄無垢」を表す挙式用の正礼装、色打掛は赤や金など華やかな色柄が使われ、主に披露宴での着用に選ばれます。

特徴>
・裏地付きの厚手で豪華な生地(金銀の刺繍・織物など)
・裾が長く引きずるように着る
・帯の上から羽織り、帯は隠れるデザイン
・鶴・松・牡丹など、縁起の良い文様が多く使われる
・白無垢は挙式用の正礼装、色打掛は披露宴で着用することが多い


黒留袖(くろとめそで)

黒地に裾模様があり、既婚女性が着る最も格式の高い礼装。

黒留袖は、既婚女性の第一礼装とされる格式の高い着物です。特徴は黒一色の地に、裾(すそ)だけに華やかな模様が入っていること。そして背中・両袖・両胸の5か所に「家紋」が入る「五つ紋」が基本です。

重ね着をしているように見える比翼仕立て(ひよくしたて)になっています。

主に結婚式で新郎新婦の母親や親族の女性が着るもので、格調の高さからフォーマルな場でしか着られません。既婚者だからといって、友人の結婚式に着て行くことはできません。


黒紋付(くろもんつき)

主に不祝儀の際に着用する、黒の無地の着物に、背、両袖、両胸に五つの紋が入った着物です。喪の際には黒一色の喪帯を合わせます。

ただし、黒の無地の着物は喪の時にしか着てはいけないわけではありません。昔は豪華な帯を合わせて結婚式に出席することもありました。黒の色無地なので、帯次第で様々な場所に出ることができます。

振袖(ふりそで)

振袖は、未婚女性の第一礼装。着るシーンとしては、成人式・結婚式への参列・卒業式・晴れの場などが代表的です。

そもそもなぜこんなに袖が長いのか、については諸説あり。昔は袖を振ることで男性への好意を意思表示していたそうです。結婚したら袖を切る(留める=留袖)ことで、「一生あなたのものです」という決意を示すものだとか。恋愛の言葉で、”振る・振られる”という言葉は着物の袖に由来した言葉です。

結婚式に呼ばれた時には華やかすぎるのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、特に若い時は振袖で行くと喜ばれます。歳を重ねると着る場面が減るのでたくさんきて欲しいですね。

<特徴>
・袖の丈が長いのは未婚女性の象徴
・帯は袋帯で、華やかな飾り結びをするのが定番です。
・最近では、総柄だけでなく、小紋柄や無地っぽいものなど色柄も豊富です。


色留袖(いろとめそで)

色留袖は、黒留袖と同じ裾模様のある着物です。地の色が黒でなければ全て「色留袖」に分類されます。

既婚・未婚を問わず着ることができ、五つ紋を入れれば黒留袖と同格、それ以下の紋数なら準礼装として使えます。


結婚式・式典・祝賀行事などにふさわしい着物で、「親族ではないけれど改まった場に出る」ようなときに選ばれることが多いです。一つ紋で作っておくと、訪問着よりも少し格上くらいの印象です。

<特徴>
・黒以外の無地に、裾だけに華やかな模様が入っている。
・未婚・既婚を問わず着用可能。
・紋の数で格が変わる(5つ紋なら黒留袖と同格、一つ紋なら準礼服)


訪問着(ほうもんぎ)

訪問着は、肩から裾にかけて絵のように模様がつながる華やかな着物です。洋服で言うとドレスです。結婚式・パーティー・お茶会・七五三・入卒式など、幅広い場面で着用されます。

振袖の袖を切ると訪問着としても使えます。

基本的には後染めの着物(白生地を染めて、柄をつけたもの)が多いですが、最近では先染めの着物(糸に色を染めて織られた生地、紬の生地)の訪問着も増えてきました。紬の訪問着は基本的には”おしゃれ着”に分類され、フォーマルな場面では控えた方が良い着物です。

<特徴>
・肩から裾にかけて絵のように模様が繋がっている(絵羽模様)。
・縫い目を超えて柄が繋がっている
・振袖の袖を短く切ると訪問着になります。
・最近は紬の生地で作られた洒落着の訪問着もあります。


付け下げ(つけさげ)

付け下げは、訪問着とよく似た印象を持つ着物ですが、模様の位置が控えめに配置されているもの。模様は着物の上下左右に分かれて入っており、訪問着のように縫い目をまたがないものといわれています。また、八掛が共生地になっていなければ付け下げという声も聞きます。

少し曖昧な書き方になっているのは、最近販売されている訪問着と付け下げの境界線が曖昧だから。胸周りは縫い目を超えて柄が入っていなくても、裾模様は超えていたり・・・。なので、訪問着と付け下げの着物の格の違いを気にすることはありません。控えめな立場で参加する時には控えめな色柄を選べば問題ありません。

訪問着同様、結婚式・パーティー・お茶会・七五三・入卒式など、幅広い場面で着用されます。


色無地(いろむじ)

色無地は、模様のない一色染めのシンプルな着物です。華やかな袋帯を合わせて準礼装として。名古屋帯を合わせればカジュアルに、小紋と同様にワンピースくらいの普段着として着ることができます。

色や合わせる帯によって雰囲気を大きく変えることができるため、茶道・式典・お稽古・弔事など、あらゆる場面に対応可能。初心者が最初に持つ一枚としてもおすすめされることが多いです。


小紋(こもん)

基本的には絹の生地で、柄が後から染められたもののことを言います。カジュアルな場面で着る”普段着”です。フォーマルな着物が縫い目を超えて柄がつけられていたのとは対照的に、小紋は柄の配置が決まっておらず、模様が繰り返し入っています。

小紋は洋服で言うとワンピースのような感覚の着物です。着物の柄によって、帯や小物を変えるとよそゆきな雰囲気を出すことができます。


紬(つむぎ)

絹の生地ですが、先に糸を染めた糸で織られています(先染めの着物と言います)。基本的には糸にも節があり、マットな質感で仕上がっています(大島紬や明仙など「平織り」という織り方のものは節が目立ちません)。紬の色で織って、後から染めで柄がつけられているものもあります。

日本全国で様々な種類の紬が生産されており、着物上級者になると色々な紬を揃えたくなります。

大島紬や結城紬などはフォーマルな場面で着る着物よりも高額になりますが、それでもジーパンのようにカジュアルな着物です。紬の生地で作られた訪問着(絵羽模様になっているもの)も最近ではありますが、あくまでもオシャレ着なので、結婚式や式典は控えましょう。


以上、着物の種類まとめでした!着物って難しい・・・と思うかもしれませんが、理屈がわかれば怖くありません。これからどんな時に着物が着たいのか、活躍のシーンが多そうかを想像しながら選んでいきましょう。

ぜひこちらの記事も参考にしてみてくださいね!

“フォーマル?カジュアル?シーンで選ぶ着物の種類まとめ【保存版】”. への3件のフィードバック

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shimakoです

最近40歳になりました。仕事も大好き、プライベートも大切に。呉服屋、広告代理店、着物イベント業等を経て現在フリーランスと会社経営の二足のわらじで活動中。Youtube動画編集・企画、人材募集・採用関係のライターを個人で、会社では業務効率化の提案やバックオフィスの代行業などをしています。趣味は、着物、キャンプ、サウナ、お弁当作り、お散歩朝活など。最近はランニングと合気道を始めました。ズボラで飽き性な性格ですが、ちょっとだけ丁寧な生活を取り入れています。